ムーギー・キム著「そっか、日本と韓国ってそういう国だったのか」

 村上ゼミの毎月恒例、課題図書。毎月1冊、村上先生が選出した本を読み、章ごとの100字要約と1000字感想を提出しています。今回紹介するのは、2022年9月の課題図書です。


ムーギー・キム著「そっか、日本と韓国ってそういう国だったのか」(東洋経済新報社)

 著者は、慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。

 2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。

 本書は、京都府生まれの在日コリアン3世である著者が、日本と韓国、また世界で学び、40年間あまりの人生を通じ考えてきた、日本と韓国に関する考察の集大成とも言える1冊である。

 長年続いている日韓問題。この問題の原因の一つは価値観の違いだ。著者が在日コリアンであるため、この本では日本と韓国それぞれの「当たり前」が詳しく丁寧に書かれており、偏見がない状態で比較をすることが出来る。

―― 村上先生がこの本を選んだ理由は?

村上先生)担当編集者・中里有吾さんは、手掛けた本の実売部数、累計300万部以上という辣腕編集者。一緒にランチをしていたときに、「若い人に読んで欲しい本を作った」と紹介された。ゲラを読んで、なるほどばかり。

僕は、02年の日韓ワールドカップの時に、その数年前から、月一回以上のペースで韓国に行っていたことがある。その経験から、現在の日韓関係に関する報道や解説に、「ちょっと違わない?」と思うことも多い。

だからこの本には、共感する部分が多かった。著者は在日コリアンで世界的に活躍している人で、日本人と韓国人双方のメンタリティが分かり、世界のスタンダードも知った上で書いているから、説得力がある。自分は分かっているという態度をとらず、必ずエビデンスを挙げて論じる姿勢が真摯だ。ゼミ生に、今までと違う日韓問題、在日問題に対する視点を手に入れて欲しいと思ったので、選んだ。ゼミ生の感想

文は、中里さんへ送って読んでもらっている。

――― 読んでの感想

4年・白土真那)人間性に正解などない。日本人である私が、決められたルールを曲げない

日本人に疑問が生じることからも、「日本人だから絶対○○だ」ということは無いので

ある。それは韓国人も同じである。大きく分けて日本人と韓国人の感性は違うし、一

人一人も違う。日本と韓国のことに限らず、自分とは違う考え方も理解することを意

識していきたい。


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