野村一夫「社会学の作法・初級編」

 村上ゼミの毎月恒例、課題図書。毎月1冊、村上先生が選出した本を読み、章ごとの100字要約と1000字感想を提出しています。今回紹介するのは、2022年5月の課題図書です。


野村一夫「社会学の作法・初級編」文化書房博文社 

 著者は、國學院大學経済学部教授。研究分野は、知識の社会理論、役割理論、社会学教育、メディアコミュニケ―ションなどである。

 社会学は、単に暗記をしたり問題を解いたりではなく、自学自習的な作業が多い。自分で調べてレポートを書く機会が多い。そのため、学び始めた多くの人は戸惑ってしまう。本書は「作法」というタイトルが示しているとおり、社会学を学ぶためのコツが示されている。

 社会学とはどのようなものかということからはじまり、読書の仕方やレポートの書き方、授業の受け方、テスト対策、ゼミの運営方法などの大学生活で求められる基本的な作業のやり方がわかりやすく書かれている。

 著者は「社会学的リテラシー」という言葉を用いているが、要は社会学的にものを考えるための基本的な作業のやり方、社会学を学ぶ上での作法が紹介されている。

―― 村上先生がこの本を選んだ理由は?

村上先生)2022 年の前期は、修論や卒論に向け、論文の書き方を中心にやろうと思ってい

ます。その基礎として、まずはこの本。古いけど、社会学の勉強法の案内としては

結構使えます。この本を僕が読んだのは、大学院の時。指導の先生から勧められて

読み、感動しました。社会学の面白さ、ダイナミックさが良く分かります。「作

法」とタイトルにある通り、社会科学への取り組み方を学ぶことが出来ます。

絶版になって古いため、皆に勧めるのはどうかとも考えました。しかし、論文執

筆のためにも、論文の勉強の仕方を、今年は徹底的にやりたいので、課題図書にし

て読んでもらうことにしました。


4年・赤平春菜)社会学の作法に関する本に関して、初めて感動を覚えた。この本の初版

が 1995 年だとは到底思えないほど、非常にわかりやすく書かれた文章だった。大

学生が陥りやすい問題についても、「なぜ」の部分を学生側からだけでなく、教員

側の立場からも示されているのが、本当にありがたかった。

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